第1章 基本方針
第1 目的
社会福祉法人福祉楽団(以下、「当法人」といいます。)は、そのサービスの性質上、多くの個人情報を保有しています。そして、当法人は、その保有する個人情報を適切に管理し、運営上で関わる全ての人のプライバシーを守る必要があります。捜査機関の立場からすれば、何らかの事件が起きた場合などに、なるべく多くの情報を取得したいと考えることは自然な流れかもしれません。しかし、当法人が保有している情報は、生活に密着した非常に高度なプライバシー情報です。これらを簡単に提供してしまえば、当法人に関わるさまざまな人のプライバシーが、大きく侵害されてしまうことになります。当法人は、保有している個人情報は、原則として捜査機関に対して提供しません。
第2 例外的対応
以下の場合は、例外として個人情報を提供します。
- 捜索・差押令状(刑事訴訟法218条1項参照)に基づく場合
- 必要な事項の報告が求められ(刑事訴訟法197条2項参照)、それに応ずることに必要性・相当性があると判断した場合
- 遺体の身元調査、行方不明者捜査、災害時対応などの「行政警察活動」に基づく調査があり、それに応ずることに必要性・相当性があると判断した場合
- 一定の必要性に応じて本法人から警察に対して、通報・情報提供する場合
第3 定義
このポリシーにおける用語は、以下のように定義します。
- 対象者
- 当法人の利用者及び家族、並びに役員、職員その他これらに準ずる者(これらであった者、死者についても含む)
- 個人情報
- 対象者に関する情報であって、当法人が業務上取得し、又は作成したもの開示対象となりうる情報の例は以下です。
- ① 対象者に関する基本情報
- ・氏名、生年月日、住所、電話番号等
- ・既往歴、障害認定や介護認定の情報等
- ・犯罪歴等
- ② 支援に係る情報
- ・(利用者の場合)利用サービス
- ・サービスの直近の利用日時
- ③ 支援において職員が直接体験した情報
- ・何らかの加害行為が発生した場合の目撃状況
- ・利用者に被害が発生した場合の被害状況
- ・利用者が自宅で死亡していた場合の直近の利用者の状況
- ④ 役員、職員に関する情報
- ・氏名、生年月日、住所、電話番号等
- ・配属先、出勤状況等
- 対象者に関する情報であって、当法人が業務上取得し、又は作成したもの開示対象となりうる情報の例は以下です。
- 捜査機関
- 警察、検察
- 捜査関係事項照会
- 捜査機関が、刑事訴訟法第197条第2項の定めに基づいて、事業者に対して行う照会のこと
- 例外的対応(2)の場合に該当
第4 情報提供に関する組織体制
情報提供については、当法人のコーポレート統括部の法務部門において判断します。また、判断が難しい場合には、顧問弁護士を含む個人情報保護委員会において判断を行います。
第2章 対応方針
第5 例外的対応(1)
捜索・差押令状(刑事訴訟法218条1項参照)に基づく場合
裁判所の発する令状に基づくものです。この場合には、当法人に、これに応じる法的義務が生じます。この場合には、令状の内容に従い、求められた個人情報を捜査機関に対して提供します。
第6 例外的対応(2)
必要な事項の報告が求められ(刑事訴訟法197条2項参照)、それに応ずることに必要性・相当性があると判断した場合
- 初期対応
- 捜査機関から情報提供の要請があった場合、「その理由」や「対象となる情報」、「要請の根拠」について、できる限り明確にすることを求めます。特に、刑事事件の捜査として行われている例外的対応(2)に該当するものなのか、その他の行政警察活動に基づくものとして行われている例外的対応(3)に該当するものなのか、について明確にすることを求めます。
なお、口頭で即時の情報提供をするように要請があった場合にも、まず組織で判断した上で検討する旨のみを回答します。その上で、情報提供について当法人内のプロセスに沿って判断を行います。
- 捜査機関から情報提供の要請があった場合、「その理由」や「対象となる情報」、「要請の根拠」について、できる限り明確にすることを求めます。特に、刑事事件の捜査として行われている例外的対応(2)に該当するものなのか、その他の行政警察活動に基づくものとして行われている例外的対応(3)に該当するものなのか、について明確にすることを求めます。
- 情報開示の方法
- 当法人は、原則として、書面での照会(捜査関係事項照会)に対して、書面で回答します。書面での回答に限るのは、口頭での情報提供を行った場合、こちらが意図しない形で記録化されてしまい、誤った情報が広まってしまう可能性があるためです。
ただし、状況に応じて、口頭での情報開示をする場合もあります。
- 当法人は、原則として、書面での照会(捜査関係事項照会)に対して、書面で回答します。書面での回答に限るのは、口頭での情報提供を行った場合、こちらが意図しない形で記録化されてしまい、誤った情報が広まってしまう可能性があるためです。
- 形式面での適法性判断
- 捜査関係事項照会に対する回答を行うにあたっては、まず、その捜査関係事項照会が適法になされたものであることを確認する必要があるとされています。(一般財団法人情報法制研究所「捜査関係事項照会対応ガイドライン」参照)
そこで、まずは捜査関係事項照会について、以下の点から、形式面での適法性を確認します。- ① 書式
- ・捜査機関の様式を用いているか。
- ・管理番号等が付されているか。
- ・契印が押されているか。
- ② 日付
- ・記載された日付が相当か。(受領をした日時から離れていないか)
- ③ 名宛人
- ・名宛人の記載が正確か。
- ④ 作成名義人
- ・作成者が権限を有する者か。
- ・権限者の職印(公印)が押印されているか。
- ⑤ 取扱者
- ・取扱者の連絡先(課〔係〕名、取扱者氏名、加入電話番号(内線電話番号)等が記載されているか。
- 捜査関係事項照会に対する回答を行うにあたっては、まず、その捜査関係事項照会が適法になされたものであることを確認する必要があるとされています。(一般財団法人情報法制研究所「捜査関係事項照会対応ガイドライン」参照)
- 情報提供の必要性・相当性の判断
- 情報提供の必要性・相当性については、対象者のプライバシーを
優先的に守るべき権利利益であると考えた上で、それを上回る必要性・相当性があるのかどうか、その範囲はどこなのか、個別具体的に判断します。また、要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項参照)については、必要性・相当性について、より慎重な判断を行います。
この点について、当法人においては、主に以下の3原則に基づいて判断を行います。
・重大性の原則(I・Importance)
・関連性の原則(R・Relevance)
・必要最小限の原則(M・Minimum)
この3原則について、具体的には下記のような観点から判断します。
- ① 必要性に関する観点
- (イ)何らかの具体的な被害が発生しているか。
- (ロ)令状を取得することのできない事情があるか。
- (ハ)照会事項と事件との関連性が強いか。
- (ニ)照会事項が具体的であるか。
- (ホ)必要最低限の人の個人情報を対象としたものであるか。
- (ヘ)必要最低限の情報を対象としたものであるか。
- (ト)他の方法では取得できない情報であるか。
- ② 相当性に関する観点
- (イ)開示されることで濫用されるおそれがある情報でないか。
- (ロ)信用性、正確性に疑問がある情報でないか。
- (ハ)照会事項が事実の報告を求めるものであるか(見解や感想を求めるものではないか)。
- 情報提供の必要性・相当性については、対象者のプライバシーを
優先的に守るべき権利利益であると考えた上で、それを上回る必要性・相当性があるのかどうか、その範囲はどこなのか、個別具体的に判断します。また、要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項参照)については、必要性・相当性について、より慎重な判断を行います。
第7 例外的対応(3)
遺体の身元調査、行方不明者捜査、災害時対応などの「行政警察活動」に基づく調査があり、それに応ずることに必要性・相当性があると判断した場合
- 初期対応
- 捜査機関から情報提供の要請があった場合、その「理由」や「対象となる情報」、「要請の根拠」について、できる限り明確にすることを求めます。特に、刑事事件の捜査として行われている例外的対応(2)に該当するものなのか、その他の行政警察活動に基づくものとして行われている例外的対応(3)に該当するものなのか、について明確にすることを求めます。
なお、口頭で即時の情報提供をするように要請があった場合にも、まず組織で判断した上で検討する旨のみを回答します。その上で、情報提供について当法人内のプロセスに沿って判断を行います。
- 捜査機関から情報提供の要請があった場合、その「理由」や「対象となる情報」、「要請の根拠」について、できる限り明確にすることを求めます。特に、刑事事件の捜査として行われている例外的対応(2)に該当するものなのか、その他の行政警察活動に基づくものとして行われている例外的対応(3)に該当するものなのか、について明確にすることを求めます。
- 情報開示の方法
- 当法人は、原則として、書面での照会に対して、書面で回答します。書面での回答に限るのは、口頭での情報提供を行った場合、こちらが意図しない形で記録化されてしまい、誤った情報が広まってしまう可能性があるためです。
ただし、緊急性が高いと判断された場合(災害発生時等)には、口頭での情報提供を行います。この場合も、緊急性の判断は、個人ではなく、組織で行います。
- 当法人は、原則として、書面での照会に対して、書面で回答します。書面での回答に限るのは、口頭での情報提供を行った場合、こちらが意図しない形で記録化されてしまい、誤った情報が広まってしまう可能性があるためです。
- 形式面での適法性判断
- 書面での照会については、以下の点から形式面での適法性を確認します。
- ① 書式
- ・捜査機関の様式を用いているか。
- ・管理番号等が付されているか。
- ・契印が押されているか。
- ② 日付
- ・記載された日付が相当か。(受領をした日時から離れていないか)
- ③ 名宛人
- ・名宛人の記載が正確か。
- ④ 作成名義人
- ・作成者が権限を有する者か。
- ・権限者の職印(公印)が押印されているか。
- ⑤ 取扱者
- ・取扱者の連絡先(課〔係〕名、取扱者氏名、加入電話番号(内線電話番号)等が記載されているか。
口頭の場合でも、⑤の事項については必ず確認して、適法性の判断をします。
- 書面での照会については、以下の点から形式面での適法性を確認します。
- 情報提供の必要性・相当性の判断
- 情報提供の必要性・相当性については、対象者のプライバシーを優先的に守るべき権利利益であると考えた上で、それを上回る必要性・相当性があるのかどうか、その範囲はどこなのか、個別具体的に判断します。また、要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項参照)については、必要性・相当性について、より慎重な判断を行います。
この点について、当法人においては、主に以下の3原則に基づいて判断を行います。
・重大性の原則(I・Importance)
・関連性の原則(R・Relevance)
・必要最小限の原則(M・Minimum)
この3原則について、具体的には下記のような観点から判断します。
- ① 必要性に関する観点
- (イ)行政警察活動の根拠となっている事態(災害、遺体発見等。以下「根拠事実」といいます。)が存在しているか。
- (ロ)根拠事実が重大なものか。
- (ハ)司法警察活動の端緒となる可能性があるか。
- (ニ)照会事項と根拠事実との関連性が強いか。
- (ホ)照会事項が具体的であるか。
- (へ)必要最低限の人の個人情報を対象としたものであるか。
- (ト)必要最低限の情報を対象としたものであるか。
- (チ)他の方法では取得できない方法であるか。
- ② 相当性に関する観点
- (イ)開示されることで濫用されるおそれがある情報でないか。
- (ロ)信用性、正確性に疑問がある情報でないか。
- (ハ)照会事項が事実の報告を求めるものであるか(見解や感想を求めるものではないか)。
- 情報提供の必要性・相当性については、対象者のプライバシーを優先的に守るべき権利利益であると考えた上で、それを上回る必要性・相当性があるのかどうか、その範囲はどこなのか、個別具体的に判断します。また、要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項参照)については、必要性・相当性について、より慎重な判断を行います。
第8 例外的対応(4)
一定の必要性に応じて当法人から警察に対して、通報・情報提供する場合
- 初期対応
- 以下のような状況が起きた場合に、警察署へ通報・出頭し、発生状況について情報提供します。
この場合、捜査機関の活動に必要と思われる情報に限り、捜査機関に提供します。どのような情報が必要なのかは、個人ではなく、組織で判断します。- ① サービス提供場面で重大な違法行為や被害が発生した場合
- ② サービス提供場面で、利用者やその家族が死亡していた(または死亡している可能性が高いと考えられる)場合
- ③ 対象者と反社会的勢力の関わりが発覚した場合
- ④ 対象者が行方不明になってしまった場合
- ⑤ 対象者から自殺の予告があった場合
- ⑥ 本法人や対象者が犯罪予告を受けた場合
- 以下のような状況が起きた場合に、警察署へ通報・出頭し、発生状況について情報提供します。
- 二次的な対応
- 初期対応による情報提供後、捜査機関が活動する中で、当法人へ
の照会がなされた場合には、例外的対応(2)および(3)の場合
に沿って、それぞれの情報提供の必要性・相当性を判断します。
主には、以下の3原則で判断を行います。
・重大性の原則(I・Importance)
・関連性の原則(R・Relevance)
・必要最小限の原則(M・Minimum)
- 初期対応による情報提供後、捜査機関が活動する中で、当法人へ
の照会がなされた場合には、例外的対応(2)および(3)の場合
に沿って、それぞれの情報提供の必要性・相当性を判断します。
第3章 具体的な対応の事例
ケース1
訪問介護員が利用者宅を訪問すると、利用者が亡くなっているのを発見し、警察に通報した場合。
- 通報のときに、訪問介護員から警察に以下の情報を伝えることがあります。
- ・名前
- ・生年月日
- ・住所
- ・連絡先
- ・現病、既往症
- ・服薬の状況、かかりつけ医
- ・要介護度や障害の程度
- ・家族構成
- ・サービス契約時に把握した緊急連絡先
- 訪問介護員は、警察の現場検証に立ち会うことがあります。
その際、警察から以下の情報提供の求めがありました。- ① 発見時の状況
- ② 利用しているサービスの内容
- ③ 最近のサービス利用状況
- ④ 交友関係
- ⑤ 経済状況(財産、債務など)
- ⑥ 介護記録の閲覧
- 基本的な対応
- ①~③は口頭で回答します。ただし、口頭で回答するものであっても、状況に応じて、司法警察活動なのか、行政警察活動なのか目的を確認します。
④と⑤は、口頭で回答しません。捜査関係事項照会書で照会をかけてほしいと返答します。捜査関係事項照会書で照会がきた場合は、回答するか否かについて内部で検討し判断します。
⑥介護記録の開示閲覧については、その場で閲覧させることはありませんが、利用者が死亡していることなども踏まえ、必要最低限の部分を開示します。
- ①~③は口頭で回答します。ただし、口頭で回答するものであっても、状況に応じて、司法警察活動なのか、行政警察活動なのか目的を確認します。
ケース2
訪問介護員が訪問し利用者へサービス提供した翌日、近所の住民が訪問すると利用者が死亡していた場合。
- 警察から当法人へ「利用者が自宅で死亡しているのが発見された。」と電話で連絡があり、以下のことを電話で照会されました。
これらについては、電話では回答できないことを伝え、対面で回答させていただきたいと返答します。- ① 利用者は当法人のサービス利用をしているか
- ② 最終訪問の日時
- ③ 最終訪問の様子
- ④ 最終訪問時に訪問した職員名
- ⑤ 最終訪問時に訪問した職員へ電話で聴取の希望
- ⑥ 利用者の病歴
- 基本的な対応
- 当法人の職員2名以上で警察署へ出向き、①~⑥は口頭で回答します。最終訪問時に訪問した職員への事情徴取については応じるものとし、事情聴取のときには、2名以上の職員の同席を警察に求めます。
ケース3
就労継続支援事業所で、利用者Aによる窃盗事件が発生した場合。
- 利用者Aは、利用者Bの財布を盗ったことを認めました。
利用者Bが警察へ被害届を提出し、警察から電話で以下の情報提供の求めがありました。- ① 利用者AおよびBは事業所を利用しているか
- ② 直近3か月のAおよびBの勤務状況、シフト写しの提出
- ③ 利用者AおよびBの障害の程度
- ④ 利用者Aの支援経記録の提出
- ⑤ 現場検証
- 基本的な対応
- すべての項目について、電話での回答はできないことを伝え、書面で回答させていただきたいと返答します。
警察による、当法人への現場検証を受け入れます。担当の職員の事情聴取には協力します。
事情聴取や現場検証は、当法人の職員2名以上で、①を口頭で回答し、警察聴取に応じます。②③④は捜査関係事項照会書で照会してほしいと返答します。捜査関係事項照会書の内容を確認し、回答するか否か内部で検討します。
捜査関係事項照会書で②③④の照会があったときは、②は利用者AおよびB以外のシフトはマスキングし、写しを提出します。
③は障害者手帳の等級および障害支援区分(客観的な事実)のみを回答します。
④はA以外の個人情報はマスキングし、支援記録の写しを提出します。
- すべての項目について、電話での回答はできないことを伝え、書面で回答させていただきたいと返答します。
ケース4
就労継続支援事業所の利用者が詐欺事件の容疑者となり、勾留された場合。
- 警察が当法人を訪問し、事業所に対して以下の情報提供の求めがありました。
- ① 利用をしているかどうか
- ② 利用頻度、最終利用日
- ③ 障害の程度
- ④ 直近3か月の支援記録(ケアコラボ)
- ⑤ 家族構成
- ⑥ 交友関係
- 基本的な対応
- 口頭での回答はできないことを伝えます。捜査関係事項照会書で照会してほしいと返答します。
捜査関係事項照会書の内容を確認し、開示するか否か内部で検討します。①②③については書面で回答します。
③については、障害者手帳の等級および障害支援区分(客観的な事実)のみを開示します。
- 口頭での回答はできないことを伝えます。捜査関係事項照会書で照会してほしいと返答します。
ケース5
就労継続支援事業所の利用者が行方不明になった場合。
- 当法人は警察へ捜索願を提出します。警察に対して、以下の情報提供を行います。
- ① 氏名
- ② 生年月日
- ③ 住所、携帯電話番号
- ④ 障害の程度
- ⑤ サービス利用状況
- ⑥ 身長・体重
- ⑦ 本人の写真
- ⑧ 行きそうな場所(家族や交際相手の情報)
ケース6
相談支援事業所が担当する利用者と同居する家族が、傷害事件の容疑者となった場合。
- 警察から電話があり、利用者について、以下の情報提供について求めがあったとき。
- ① 利用者を支援しているか
- ② 相談経路
- ③ 相談内容、経過
- ④ 利用者と同居家族の関係性
- ⑤ 支援記録を印刷したもの
- ⑥ 当法人と利用者のSNSチャットやダイレクトメッセージの内容がわかる画面を印刷したもの
- 基本的な対応
- 電話での回答はできないため、捜査関係事項照会書で必要な事項を照会してほしいと回答します。
捜査関係事項照会書の内容を確認し、開示するか否かを内部で検討します。
①は回答しますが、②~⑥は原則として開示しません。
- 電話での回答はできないため、捜査関係事項照会書で必要な事項を照会してほしいと回答します。
ケース7
児童養護施設内で、A(18歳)から、友人B(16歳)に対して暴行事件が発生した場合。
- 後日、Bは警察へ被害届を提出し、Aは傷害の容疑で警察へ勾
留されました。
警察から当法人へ、電話で以下の情報提供や捜査協力の求めがありました。- ① AおよびBの氏名、生年月日、学校名等の基本情報
- ② AおよびBの入所経緯、親族関係
- ③ AおよびBの生活状況
- ④ 担当職員への聴取
- ⑤ Aのスマートフォンの現物の提供
- ⑥ 現場検証
- 基本的な対応
- 電話での回答はできないことを伝え、対面で回答させていただきたいと返答します。
警察による現場検証を受け入れます。
当法人の職員への事情聴取や現場検証には、当法人の職員2名以上で対応します。①と③は口頭で回答します。
その他、必要な事項は捜査関係事項照会書で照会してほしいと返答します。
捜査関係事項照会書の内容を確認し、開示するか否か内部で検討します。②については開示しません。
⑤は捜索差押令状がなければ任意では提供しません。任意提供についてAによる明確な意思表示がある場合はその限りではありません。
- 電話での回答はできないことを伝え、対面で回答させていただきたいと返答します。
ケース8
DV被害者について警察から相談事業所へ電話で連絡が入った場合。
- 転居後、警察からの連絡にDV被害者が応じないため、当法人へ状況把握しているか問い合わせがありました。
- 基本的な対応
- 当法人から対象の利用者に連絡をとり、警察に連絡するように促します。
第4章 情報提供した事実の告知
第9 情報提供した事実の告知
捜査機関への情報提供をした場合には、適用される法律により禁止される場合や、事案を鑑みて通知が適切でない場合(例:犯罪や自殺などの予告)、その他通知が不適切と思われる場合を除いて、対象者に以下の告知を行います。
- 捜査機関から情報提供の要請があったこと。
- 情報提供をしたこと(どのような情報を提供したかを含む)
第5章 その他
第10
このポリシーの変更や廃止は、弁護士の意見を聴いたうえで、当法人の理事会で審議して行います。
附則 このポリシーは、2024年4月18日に制定し、同日から施行します。